季節限定の素材

白 魚(しらうお) 1〜4月    
とても綺麗な魚です。体長5〜10センチ位で、透き通った容姿はなんとも言えません。かっては全国の河川や湾内で群れをなしていましたが、水質汚染の影響で年々漁獲量が減ってきています。 主として内湾に生息し、春先に産卵の為に河口などに寄ってくるところを網ですくって獲ります。
天ぷらにすると上品で淡白な味の中にも、ほのかな甘味があり、塩で食するとその繊細さがより分かります。小さいうちは「ちらかし」か「磯巻」あるいは「かき揚げ」で、型が良くなってきたら「一本揚げ」にしています。春の「子持ちの白魚」は絶品です。
白魚天ぷら

銀 宝(ぎんぽ) 4〜6月    
よくテレビ等では「幻の魚」等と紹介されています。背びれは「とげ状」になっている為、非常に手を切る恐れがあり、正面から見るとカミソリのように見える為に、「かみそりうお」とも呼ばれています。 (どじょうを扁平にしたような体型。)
何故か、東京の天ぷら専門店でしか扱っていません。
煮たり、焼いたりしても美味しくないのですが、天ぷらにすると特有の旨味を発揮します。天ぷらには「活け」のものしか使わず、揚げると身がギュッと締まり肉厚になります。穴子よりも歯切れが悪いのですが、皮と身の間にあるゼラチン質の部分が旨味を引き出すのでしょうか、一度食べると毎年春先が待ち遠しくなります。
銀宝天ぷら

稚 鮎(ちあゆ) 3〜10月    
鮎は年魚といわれ、一年で生涯を終えるため成長が早く、八月頃には成魚になり20〜30センチに達します。琵琶湖の鮎は生涯大きくならず、小鮎(稚鮎)と呼ばれ12センチ止まりです。この琵琶湖の小鮎を、静岡等の養殖場で若干大きく育てたものを、天ぷら専門店用に出荷しています。稚鮎の天ぷらは、頭から骨ごと食べる事ができます。また、稚鮎の天ぷらは「腸の苦味」を楽しむと言ってもいいでしょう。塩で食する素材の代表的なものです。入荷量は少ないですが秋の「子持ちの稚鮎」は絶品です。
稚鮎天ぷら

鯊 (はぜ) 9〜12月    
はぜ科の魚は日本だけでも200種以上ですが、中でも「真はぜ」が代表されます。松島湾、東京湾、伊勢湾、浜名湖が漁獲量が多いですね。鮮度落ちが早い魚の為、天ぷらには「活け」を使用します。 天ぷらにすると、ぎゅっと身が締まり肉厚になります。噛んだ瞬間に舌の上で身が溶けるようにほぐれ、皮目も香ばしく絶品です。私が一番好きな食材です。
鯊天ぷら


下記の素材は、本当は「あそび 」の素材にも重なるものです。
今や岡本の秋から冬の定番になりました。

蛤 (はまぐり) 9月〜6月    
浜に生息し形が栗に似ているところから、はまくり(浜栗)と名づけられたそうです。自然環境の悪化に伴い漁獲量も減り、最近では輸入物の蛤が大部分を占めていますが、当店では伊勢湾産、茨城産の地蛤を使用しております。天ぷらは殻付きのまま揚げます。衣と貝殻の間に閉じこめることによって、旨味を凝縮させることが出来ます。中まで火は通さず、軽めに揚げると柔らかく噛んだ瞬間にエキスが口の中に広がります。レモンをたっぷりかけてそのままでも、塩でも、あるいは醤油もいけます。

鮑 (あわび) 6〜8月    
夏のお薦めの一品です。もともと鮑も「あそび」の素材でしたが、お客様の支持が非常に高く、いつのまにか夏の定番になりました。日本近海には数種の鮑が生息しますが、めがい・くろ・まだか・えぞの4種が食用にされています。当店が使用しているのは黒あわびで、一般には生食に使用されています。加熱すると身が柔らかくなり、生の時の食感とはまるで違うものになります。また肝も天ぷらにします。わたしは、鮑の調理方法としては、松茸と共に天ぷらが一番だと思っています。
鮑
 

牡 蠣(かき) 10月〜2月    
当店が使用しているのは、三陸産の殻付きです。牡蠣の肉質はなめらかで柔らかく、特有の旨味を持っています。天ぷらにすることによって、衣の中に牡蠣の旨味を閉じ込め、凝縮された味を堪能することが出来ます。牡蠣だけでも揚げますが、ピーマンの中に詰めて揚げた「かきピーマン」は大変好評です。レモンをたっぷりとかけて塩で召し上がってくださいませ。また、生牡蠣としても提供しておりますので、ぜひどうぞ。
牡蠣天ぷら

ずわい蟹 11月〜1月    
11月から3月頃まで、日本海沿岸で水揚げされます。福井では『越前がに』、山陰地方では『松葉がに』と呼ばれています。長い足の部分の身をそのまま揚げるか、海苔で太巻きにして揚げます。蟹独特の甘味と海苔の香りがとてもマッチして、レモンと塩がベストです。
ずわい蟹天ぷら

鱈場蟹(たらばがに) 11月〜1月    
アラスカから北海道沿岸に分布。なんと200〜400メートルの深海に生息。鱈とほぼ同じ海域にいるために、この名がついたそうです。蟹という名を持ちますが、足の数をみていただければ分かりますが、やどかりの仲間になります。当店では、活けの『たらば』を使用。太くて大きな足の部分を大胆に揚げます。蟹特有の甘み、香りを楽しむことができます。
たらば蟹天ぷら


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